iOS12から追加されたSiriショートカット。
「でも画面が複雑でよくわからない。」
「操作方法もイマイチわかりにくい。」
その気持ち、よくわかります。
今回はそんなSiriショートカットについて、具体例を交えながら詳しくご紹介します。
Contents
Siriショートカットの作り方
SiriショートカットはiOSに最初から組み込まれているものではなく、AppStoreからダウンロードする必要があります。
Apple純正のアプリで、無料で提供されています。
ダウンロードが完了したら、ホーム画面に追加されたアプリをタップします。
起動するとそこには、シンプルな画面が表示されていると思います。
まずは『ショートカットを作成』をタップしましょう。
すると『ヘルプ』が真ん中に書いてある以外、何も書いていない構築画面が表示されます。
(ちなみにこのヘルプはタップすると、英語でのヘルプページに飛びます。)
ここからショートカットを構築していくことになります。
まずは下のをタップして掴み、下からスワイプして構築パーツ画面を呼び出します。
スクロールしてみてみると、『カレンダー』や『ミュージック』、『マップ』など多くのアプリが連携できるようになっています。
実際に作ってみよう①スーパー便利なシャッフル再生
ここでは『最初に数曲選んで再生し、そのあとはシャッフル再生する』というショートカットを作ってみましょう。
⒈まずは検索窓をタップし、『ミュージック』項目をタップします。
⒉次に『ミュージックを選択』をタップしましょう。すると『複数の曲を選択』がオフになった状態で、コマンドパーツが構築画面に追加されます。オンにしておいてください。
⒊もう一度検索窓をタップし、『スクリプティング』をタップし、『変数に追加』をタップし構築画面に追加します。2番目に配置してください。
変数に追加って何?スクリプティング欄に用意されているパーツは、アプリというよりもiPhoneそのものの操作を行うものです。
『変数に追加』はその前の処理結果を、変数という箱に入れる処理と思ってください。この箱に入れることで、後々の処理で事前の処理結果を扱いやすくしています。
⒋変数名をタップし、適当な名前をつけてください。ここでは「選んだ曲」としておきましょう。
⒌さらにもう一度検索窓をタップし、『スクリプティング』をタップ、『何もしない』をタップし構築画面の3番目に追加します。
何もしないって何?構築画面に行くつかパーツを配置すると、自動的に縦線でつながっているのがわかりますか?
これは前の動作の後にこの動作をするという順序がついてしまっています。つまり後の方に配置したパーツは、前のパーツの影響を受けてしまうのです。このパーツの連結を一区切りしたい場合に『何もしない』を追加します。
⒍検索窓をタップし、『ミュージック項目』をタップ、『ミュージックを検索』を構築画面の4番目に追加します。
⒎『フィルタを追加』をタップし、『アーティスト』→『メディアの種類』、『すべて』→『Music』にタップでこの順で切り替えます。そして並び順序を『なし』→『ランダム』に切り替えます。
⒏検索窓をタップし、『スクリプティング』をタップ、『変数に追加』をタップ、構築画面の5番目に追加、変数名を「選んだ曲」にします。
⒐検索窓をタップし、『ミュージック項目』をタップ、『ミュージックを再生』を最後に構築画面に追加します。シャッフルはオフ、リピートをなしにしてください。
では構築したショートカットを見てみましょう。
この順序で、この設定にしている意味を簡単に解説したいと思います。
①最初に選んだ複数の曲を『選んだ曲』という箱に順番に追加していきます。
②ではランダムに曲を1つ1つ選択し、『選んだ曲』という箱に①で選択した曲の後ろに順番に追加します。
③では『選んだ曲』に入っている曲を上から順番に再生しています。
この構築により、例えば最初に3曲好きな曲を選んでそのあとはミュージックライブラリ内の曲をランダムに再生するという、かなり便利なショートカットが出来上がりました。
手順⒎のランダム再生する曲の参照元を変更することで、ミュージックライブラリ全体ではなく特定のプレイリストやアルバムなどからランダム再生するといったことも可能です。
実際に作ってみよう②現在地から目的地までの所要時間を伝える
次に作るのは『目的までの到着時刻を相手にメールで伝える』というショートカット。
もしLINEがこのショートカットに対応すれば、このショートカットはさらに応用できるようになります。
⒈検索窓をタップし、『マップ』項目をタップ。
⒉『以降の住所』をタップし、構築画面に追加します。
以降の住所って何?この『以降の住所』は入力した住所を、マップで認識する機能があります。
ただし入力方法がアメリカ標準のものとなりますので、日本人の方は下から入力した方がしっくりくると思います。
(アメリカは番地→市区町村→都道府県/州→郵便番号→国のように日本とは逆の住所の書き方をします。)
市区町村以降は1行目に、建物名などは2行目に書くということにも気をつけ てください。
⒊『以降の住所』のところに目的地住所を書きます。 書き方は上記の「以降の住所って何?」を参考にしてくださいね。
⒋検索窓をタップし、『マップ』項目をタップ、『移動時間を取得』をタップし2番目に配置します。『出発地』が現在地になっているか確認してください。『交通手段のモード』はデフォルトでは車になっています。
⒌検索窓をタップし、『マップ』項目をタップ、『現在地を取得』をタップし3番目に配置します。
⒍検索窓をタップし、『テキスト』項目をタップ、『テキスト』をタップし4番目に配置します。
⒎テキスト欄にメッセージを打ち込みます。その際、キーボードのタブから選択できる『』と『』を含めた文章を構築してください。
⒏このままだと送信される現在地情報が「日本〜県〜市」とフルで入ってしまうため、大変見にくいです。そこで『』をタップし、表示される項目から『番地』を選択してください。するとテキスト内の『』が『』に変わり、送信される現在地情報がまとまります。
⒐検索窓をタップし、『メッセージ』項目をタップ、『メッセージを送信』をタップし最後に配置します。
10.『実行時に表示』をオン にし、宛先を入力します。メッセージ欄は空白にしておいてください。
では構築したショートカットを見てみましょう。
この順序で、この設定にしている意味を簡単に解説したいと思います。
①目的地から現在地までの移動時間を計算し、『』という箱に入れています。
②現在地を取得し『』という箱に入れて、テキスト内でこの2つの箱の中身を使用しています。
③メッセージを送信ではテキストに打ち込まれた内容を、宛先へ送信します。
この構築により、現在地から目的までの所要時間を相手に知らせるということができるようになりました。今回はメッセージを使用しましたが、LINEが対応する日が来るかもしれません。
また、手順⒋では『移動時間を取得』を選択しましたが、『距離を取得』や『経路を表示』などがあるので状況に応じて応用が利きます。
実際に作ってみよう③最寄りの駅まで行ってみよう
最後に最寄り駅を調べて、そこまでいくというショートカットを作ってみましょう。
⒈検索窓をタップし、『マップ』項目をタップ、『近くの店舗や企業を検索』をタップし、1番目に追加します。
⒉『検索』の欄に『駅』、『半径(km)』に最寄りと思える距離を入力して下さい。ここでは1.5としましょう。
⒊検索窓をタップし、『スクリプティング』項目をタップ、『リストから選択』をタップし、2番目に配置します。
リストから選択って何?リストから選択は、その前に配置してある処理によって得られた結果が複数ある場合、そのどれかを選択するという操作を促すものです。『複数を選択』がオンになっている場合、複数選ぶことができ、選んだ選択肢を次の操作に結果として引き継ぎます。
⒋検索窓をタップし、『マップ項目』をタップ、『経路を表示』を最後に追加します。
⒌『“マップ”App』欄で(純正アップル)MapsかGoogle Mapsか選択し、モードで徒歩などを選んでください。
では構築したショートカットを見てみましょう。
この順序で、この設定にしている意味を簡単に解説したいと思います。
①マップを利用して、現在地情報から半径1.5km圏内にある駅(検索対象)を検索します。
②検索してヒットした項目をユーザーに選ばせます。
③現在地からユーザーが選んだ項目までの経路を検索し、表示します。
このようにマップやミュージックといったアップル純正のアプリ以外にも、非純正でSiriショートカットに対応したアプリがいくつかあります。
それらを組み合わせることで、より便利なショートカットが作成できます。
Siriに直接声でお願いしてショートカットを実行する
このように作成したショートカットは、特定のフレーズで呼び出すことができます。
ショートカット作成ページ上部に、オンオフを切り替えるアイコンが表示されていますのでタップしてください。
これをタップすると、『Siriに追加』という項目があり、それをタップします。
すると録音画面が起動し、特定のフレーズを言えばSiriがそれを聞き取り起動してくれるようになります。
タップしてショートカットを実行する
街中でショートカットを起動させるときに、いちいちSiriに頼んでいたら恥ずかしいし、めんどくさいですよね。
そんな時はタップで起動させることができるようにしましょう。
先ほどと同様に、オンオフを切り替えるアイコンをタップしてください。
すると『ホーム画面に追加』という項目があるのがわかりますか?
これをタップし、手順に従うとこのショートカットをホーム画面に追加することが可能です。
これをタップすれば作成したショートカットを簡単に動かすことができます。
ウィジェットからショートカットを実行する
実はホーム画面やSiriなんてものよりも、簡単に操作する方法があります。
それはウィジェットからショートカットを実行すること。
こうすることで、アプリを起動していてもいちいちSiriをつけたり、ホーム画面にもどらなくて済みます。
やり方は先ほど同じ、設定画面を開きます。
そして『ウィジェットに表示』と書かれた項目のスイッチをオンにします。
次に通知センターを呼び出し、『編集』をタップします。
表示された画面に『ショートカット』が表示されていると思うので、プラスボタンで追加してください。
上にスクロールするとウィジェットに表示される(マイナスボタンがついているもの)一覧があるので、ショートカットを一番上に持ってきて、完了をタップします。
すると、ウィジェット画面にしっかりとショートカットが追加されています。
構築済みのSiriショートカットをギャラリーからダウンロードする
このショートカット、ご覧の通りプログラミングの色がかなり強く、最初Swiftの練習かな?と思ったほどです。
(まぁ裏を返せばSwiftもそれほど難しくないということですが。)
なのでiPhoneユーザーの中でも、ショートカットを使いこなせる人はかなり限られてくるのかなと思います。
そんな人たちでも簡単に便利なショートカットを利用できるように、このショートカットにはあらかじめ用意されたショートカットをダウンロードできる機能があります。
ショートカットを起動して最初に表示される画面の下にあるタブに表示されている『ギャラリー』をタップしてください。
するとAppStoreのような雰囲気の画面が表示され、自分の使いたいショートカットをダウンロードできます。
もちろん編集・Siriの登録・ホーム画面への登録など、ダウンロード後は自在に扱えます。
またこのショートカットには共有機能も搭載されているので、友人が作ったショートカットをAirDropでもらうなんてこともできます。
HomePodなどの外部スピーカーには未対応
2018年6月、WWDC2018でアップルはこのSiriショートカットの機能を紹介しました。
この際に
「HomePodにおはようといえば、電気をつけてくれ、朝に最適な曲を流すようにできる」
と発言しましたが大ウソでした。
HomePodをiOS12にアップデートしたところ
- iPhoneを探す機能の追加
- 複数のタイマーをセット可能に
- 歌詞から曲検索が可能に
- 電話をかけられるように
- Siriショートカットに対応
とのことでした。
このSiriショートカットに対応ということで、早速「GoodMorning」というとライトがつき、朝に最適な曲が再生されるショートカットを作成しました。
作成後、HomePodに「GoodMorning」というとライトがつき、曲が再生されました。
そう、iPhoneから!
何をどう組み替えてもHomePodからショートカットを介して曲を再生することができませんでした。
ネットでこの事例を検索すると、なんと同様のことで皆さんがっかりしている状況でした・・・。
まとめ
今回はショートカットについて取り扱いました。
詳しく書こうとしたところ、とんでもない枚数のショートカットを記事に追加してしまうことになってしまいました。
でも作り方や感覚は理解していただけたかと思います。
具体事例も掲載しましたので、ぜひ自分で実際に作って慣れてください!
これほど便利な機能が追加されたんです!利用しない手はありません!
また個人的にですが、プログラミング学習にも良さそうだなと思いました。
ここに紹介した以外の機能やショートカットはまだまだあります。
楽しみながら作るといいプログラミングの勉強になると思いますよ!